相続とは


 

◇ 相続とは、人が亡くなった時に始まる、亡くなった人の財産上の一切の権利・義務を特定の人(相続人)に継がせる制度です。

人が亡くなった場合、相続人が亡くなった人の財産を受け継ぐことになります。
誰が相続人であるかは法律(民法)で定められていて、相続財産はその法定相続分に従って、相続人間で分けることになります。
ただし、亡くなった人の遺言状が存在するときは、法律の規定より遺言の内容の方が優先します。これは、「財産は人の運命を決めるに際して、人命の次に大切な物」という格言もあるように、亡くなった人が、自分の財産をこういう形で後世に残したい、という想いを残された人たちが汲み取らなければならないからです。そのため、法律上、遺言というものは大変重く扱われており、それはまさに、法律で杓子定規に決められたことよりも“人の想い”の方が尊重されるべきであるという「遺言の在り方」を示しているわけです。日常、自分の親や子供のことなどに想いを致してみると、これは至極当然のことかもしれません。

さて、相続においてトラブルが起こるときは、たいてい相続人が複数いる場合です。ここに一つの例を挙げてみましょう。

地方在住の母親が亡くなり、その相続人が長男(兄)と次男(弟)の二人である場合(父親はすでに他界しているものとします)

@ 財産が銀行預金600万円だけである場合

 兄弟で300万円ずつ相続して終わり、となりますが、

A 財産が銀行預金600万円に加えて、1,200万円相当の母親の持ち家があった場合

 法定相続分通りに相続するなら、持ち家を売却(これで、財産は現預金1,800万円になります)し、単純計算で一人900万円ずつを相続する、ことになります。

B しかし、このケース。仮に兄が地方で高齢の母親と同居していて、亡くなるまで世話をしていたとしたら、どうでしょう?

母親の持ち家を売却すれば、兄は住む場所を奪われてしまいます。だから、兄は「自分は持ち家を、弟は現金をそれぞれ相続しよう」と提案したとします。これは、財産的な価値では、兄の方が弟の倍も多く相続し不公平な感も否めませんが、最期まで母親の面倒を看たのだから、弟も納得してくれるのではないか、と兄は考えるわけです。

一方、弟は東京で家族を持ち、住宅ローンを抱えていたりすると、この提案はのめないということになります。なぜなら、自分は900万円をもらう権利があるのに、実際には600万円しかもらえないのでは300万円分の権利を諦めることになるからです。300万円もあれば、ローンの繰り上げ返済だってできるし、子供の教育費に使うことも、また、何回分かの家族旅行の費用に充てることもできる、と弟は考えるわけです。そしてまた、この一件を弟が自分の家族と相談しようものなら、ますます事態は悪化の一途を辿ることになりかねません。

弟の妻は900万円分の権利を主張するよう夫を説得するか、「お兄さんの住む家を無くすのは可哀想だから、300万円はお兄さんの稼ぎから補填してもらいましょう」と望むのが関の山です。しかし、兄の現状から、300万円を支払ってもらうことは容易ではないことが弟には一目瞭然なのです。

こうして、300万円を巡って兄弟の関係は泥沼化していくことになるのです。

まあ、これはほんの一例ですが、個に用に兄弟が財産の分け方で揉めることはよくあることで、特に兄弟がそれぞれ家族を持っていると配偶者の意見を尊重しなければならず、かなり厄介な問題に発展してしまうのです。

また、兄弟でも、母親が異なる場合などは元々の人間関係が複雑であったり、他にも血の繋がっていない相続人同士、例えば亡くなった人の再婚相手と長男とか、であればもはや憎しみの感情が先に立ってしまってお互い冷静になることができず、話し合いによる解決まで至らないケースが跡を絶ちません。相続を巡るトラブルはイコール人間関係の写し絵とも言われるほど、様々な個々の事例が存在するわけです。 

そして、相続に関して面倒なことは人間関係だけではありません。相続する財産その物もまた、面倒な場合があるのです。財産と言えば、通常は銀行預金等の現金、株券等の有価証券、純金や絵画、土地建物(不動産)といった形が目に見えるプラスの財産が真っ先に思いつきますが、例えば、亡くなった人の生前の借金等、目に見えない負債もまたマイナスの財産であり、相続人がうけつぐ相続財産に含まれるのです。マイナスの財産がプラスの財産を上回るときは、相続する権利を放棄するという申立ても可能です。相続税の申告は相続開始(母親の死亡)を知った日から10ヵ月以内にしなけらばなりません。10ヵ月と聞くと、300日もあるから十分とも思いますが、遺品を整理しながら様々なことを考えたり、相続人間で話し合いを持ったり、そもそも相続の権利を主張するか放棄するか、の選択までしなければならない、ということになると、これが意外に短い期間なのです。


 ◇ 行政書士は、相続に関する業務を法律の視点から行うことができます。

 

例えば、

〇遺言書作成

どんな風に書いたらいいかわからない方への起案や指導、公正証書にするまでの手続き

 

〇贈与契約書

生前、または死後に贈与したい内容を記載した書面による契約を贈与したい相手と結ぶ手続き


〇遺産分割協議書

相続人同士の話し合いによって決定した遺産の分け方を書面にしたもの

 

〇相続人及び相続財産の調査

相続人が他にいるかもしれない可能性がある場合、また、相続財産が他にあるかもしれない場合の調査

 

〇遺言執行手続き代行

遺言が存在する場合には、相続人や相続財産の確定、戸籍謄本、不動産の固定資産税評価証明書、不動産登記簿謄本の請求、遺言執行者の選任申し立て、遺言書検認手続き関係書類の取寄せ、遺産分割協議の立ち会い、その外、遺産分割協議書や銀行の口座解約、名義変更に伴う様々な書類作成など


「人ひとりが亡くなる」ことは、遺族ひとりひとりの人生を大きく変えかねない大事件です。だから、相続は、一つ一つ個別の事案を解決する前に、まず亡くなった人の周辺の全体像を俯瞰して見る必要があるのです。行政書士のような法律に明るいトータルな目を持った第三者に相談することで、限られた時間の中で、スムーズな相続手続きができるのではないかと思います。


「相続」について詳しくはこちら →

「愛犬・愛猫に財産を残す」はこちら →

 

 

    

 

▲このページのトップに戻る